バイバイのノイズ

バイバイのノイズ


時間は十九時を回った。明かりのない車内は薄暗い。
明滅する黄色や赤の看板たち、車のヘッドライト、街灯、その他雑多な光源が、フロントガラスを巡っては消えてゆく。
合計で十時間以上走った運転もいよいよラストスパートで、残るは本旅行のヒロイン――助手席にいる彼女を家へと送り届けるだけだ。

車内のスピーカーからは、彼女のiPhoneからBluetooth経由で送信される、恋愛至上主義の音楽が次々に流れていく。
よくもまあ、こんなにも恋や愛、好きだの忘れられないだのと歌う曲を聴き続けられるな、と呆れ半分感心半分であった。

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